詩とクラッカーと雨の午後
雲からまっすぐに零れ落ちてきた雨が、音もなく地表に
吸い込まれていきます。気温は20℃くらいでしょうか、
窓をあけないですごす昼はひさしぶりです。
灰白色のお椀をかぶせられたように四方を雲で閉ざされ、
どこにも道が通じてないような気がするこんな日は、どこ
か気にいりの一か所に陣どり、読書に耽りたいもの。
かたわらに珈琲と片手でつまめる焼き菓子があれば
言うこと無しです。
「世界はうつくしいと」 長田弘著
日本を代表する詩人で、児童文学や評論など幅広い
分野において活躍された長田さんはことし5月に逝去。
50年におよぶキャリアにおける数多の著作のなかでも
とくに気にいりの1冊です。
詩といっても無暗に想像力を要求されることはなくて、
飾り気のない言葉がすっと心に浸みこんできます。
焼きあがったばかりのシナモン薫るライ麦クラッカー100円)
と、テイクアウトした珈琲を携えて活字の世界をうろうろする
午後、どうですか。
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