本の紹介 絵本編
日が落ちてきたけど、まだライトを必要としない午後のいっとき。
窓から忍び込んだ光が、白樺の葉を操りながら壁に捉えどころのない
不思議な模様をひとしきり描き、それから消えていきました。
いや~、つくづく良い場所で過ごせているなあとしみじみ。
さて、シリーズHUTTEの蔵書紹介の3回目は、良い子のみんな、
そして純粋さを失わない素敵な大人たち、集まれ~~の絵本編です。
絵本に求めるものは人それぞれかと思いますが、個人的には「筋が
明確かつシンプルで、さらに10分程度で読みきれる頁数」であること
が大事だと思ってます。ちょっとした隙間の時間に手に取り、心が
たっぷり温もったところではいおしまい。お休みなさ~い。
そんな、小さくて薄いのに豊かなメッセージが詰まった、「すぐ効く」
絵本との出会いに、特に歳を重ねた今、余計に価値を感じるこの頃で
あるのです。さ、前置きはこれくらいにして1番のお気に入りからどん。
『しろいうさぎとくろいうさぎ』
文・絵/ガース・ウィリアムズ 訳/まつおかきょうこ
小さな野うさぎの愛のお話し。表情と質感に富むイラスト。平易なのに
ぐっとくるセリフ(まつおかきょうこさんの訳がなにしろ秀逸)。絵本の
中の絵本です。手に取るたびに普遍的な愛のかたちに胸打たれます。
『LITTLE FUR FAMIRY』
文/マーガレット・ワイス・ブラウン 絵/ガース・ウィリアムズ
まず表紙に脱帽。だって、描かれた熊のお腹からふわ毛(なんの毛が
使われてるんだろう?)が飛び出てるんですから。店を訪れる子どもたち
にも大人気です。全編英文ですが、絵を追うだけでも楽しい。
『パン屋のくまさん』
文・絵/フィービとセルビ・ウォージントン 訳/まさきるりこ
一人(一匹)パン屋を営むテディベア(熊じゃありません。熊のぬいぐるみ
ですよ!の一日の始まりから終わりまでを綴ったという設定で1本。僕は
彼に憧れてカフェ店主になろうかと…というのは冗談ですが、子どもは
それに近い感想を抱くかも。しかし、無表情のくせしてどうしてこうも人を
惹きつけるのか、テディベア。そっちはほんとに憧れる…。
『せかいでいちばんすてきなないしょ』
文・絵/クリフ・ライト 訳/おかだよしえ
動物ばかりが続きますが、こちらも熊が主役です。ささいな誤解が喧嘩
に発展し、サプライズを経て仲直りという絵本の王道的ストーリーですが、
舞台設定とイラストの良さが特別。
途中、主人公のすさまじい破壊を伴う(笑)怒りっぷりにどきどき
させられる頁が。可愛い顔して暴れると怖いのがクマですね。
『クマの名前は日曜日』
文/アクセル・ハッケ 絵/ミヒャエル・ゾーヴァ 訳/丘沢静也
見てください。白クマがペンギンを舐めています。アイスクリームかと
思いきや、生ペンギンです。なんておそろしい…。
海外の絵本好きには、この本の作者たちはすっかりお馴染みかと思い
ます。摩訶不思議でちょっとグロテスク。そこに風刺を混ぜた超現実を
独特の深みあるイラストと巧みなストーリー展開で描き出すコンビによる
1冊です。創造力を養いたい方必読。
あれ…ついついこんなに長くなちゃったけど、まだお披露目できてない
秀作がいくつも。やっぱり絵本話は盛り上がっちゃいますね。近々続編
アップします。
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