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書籍紹介『たねのずかん』

きょうはすっきり、顔をごしごしこすったらきれいになるんじゃないか

とおもえるほど空気のきりっと澄みきったあさを迎えました。

こんにちは。

きのうにつづいて「タネ」をねたにした本の紹介です。













『たねのずかん』

文/古矢一穂 絵/高森登志夫 発行/福音館書店

1404円

実物大の(なかには2倍のものも)精密なイラストで再現した植物たちの

多種多様なたねを列挙。次ページにつづく、それらたねの成長後のイラスト

と照らし合わせることで、体系的に学べる図鑑となっています。

ポイントは「移動手段別」というしわけかた。












風をたよる気ままな自由人タイプから













たくさんで一斉にはじきとぶ自立型、あるいはヒッチハイクのごとく

動物やひとにくっつく、ちゃっかりタイプまで、採用する戦略ごとに

カテゴライズされています。余白がおおいレイアウトだからか、ひとつ

ひとつの個性がはっきり、そして自分のペースで眺められる心地よい

読後感がありました。

それにしても、どれひとつとしておなじ形状がないたねたち。それ

ぞれのフォルムが、新天地に根を張るという目的をはたすための

ものとして独自の工夫が重ねられた結果であると考えると生命って

すごいなあとため息がでます。













成長後のすがたで整列したページ。これまた細やかなタッチと

見やすい配置で、図鑑がもたれがちな、目と脳が疲れてしまう

硬質さとは無縁です。こどもの好奇心の芽を育てるのにも

うってつけといった本ではないでしょうか。

― 人もまた種子と同じに偶然の風にはこばれている―

そんなふうに村上春樹さんが書いていたのは「風の歌を聴け」だったか。

たしかにタネもひともおもいっきり俯瞰してみたらたいした違いはない。

うごいて腰をおろして住みかをかまえて生きて死んで。ひとつ違いを

あげるなら、じぶんの思いではない外部の力(会社とか災害とか)

で移動することが人の場合はおおいことくらいでしょうか。

ひともタネみたいに、あれこれ策を巡らせながら育って、機が熟した

瞬間に住みたい場所にむかってじぶんを解き放つ、そんな身軽さ

が生きかたとしてみとめられていたら、日本はもっとのびのびとした

雰囲気に満たされてるんじゃないかな~と、不謹慎かもしれないけど、

そんなだから君は…とあきれられるかもしれないど、僕はそんなふう

にも思います。






















けさ焼いたばかりの『レモンのスコーン(200円)』は自家製レモン

ピール入りでさわやかな酸味がたのしめて美味しいです。






















自然派、あるいは砂利道や空き地、昭和の50年代くらいまでに

土っぽいものに触れながら青春を過ごした人たちにまよわず

すすめるこの1冊など、書籍もとどきました。 

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