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こんなふうに考えています。

こんにちは。

きゅうな閉店にさいして、いたわりのことばをたびたび頂戴しており、そのたび

に鼻の奥につんとした痛みを感じながら、お返事させて頂いているのですが、

いつにもましてことばづかいが正確さを欠いている気もして、それを思うたび

に怖くなってしまうので、ここで現在の心境を、冷静なあたまであらためて

書いておきたいと思います。

いまはわりかし平気です。ひとりひとり違う個性をもつお客さんとのかかわり

や季節の移ろいを全身で理解すること、ここだからたちあえたそんないろいろ、

ほかの場所ではたぶんえられなかった機会を手放してしまう寂しさはたしかに

どうしたってあるのですが、一方で、カフェのひとという肩書きなしの毎日にも

鳥はとんでるし、草も花も苔も生きているし、なにより客と店という境界をこえて

親しくつきあえる友人ができて、ちかくにいて、遊びにいこうと誘ってくれる、

そんな価値ある事実があります。

このあいだうかがった友人宅で「明日がくるのが本当に楽しみだ」とこども

みたいな目をして笑ったおじさんがいました。僕らも少しずつ荷物を整理して

身軽になって、毎日に期待しています。だからもう大丈夫です。金曜以降の、

のこりわずかな営業日も、だからこれまでどおりに平穏な空間づくりに勤しむ

のみです。

もちろん心のこりもあるにはあって、春になるころに店のちかくにいついて

住みかをこさえ、ひと夏かけて子どもを育て、秋の訪れと入れ替わるように

して去っていくノビタキのいとなみをことしはそばで見守ることが叶わない。

その愛らしい行動も声もまったく代えがきかないものなので、とにかくもう

残念のひとことにつきます。雨上がりのアスファルトにできたちいさな(人間

でいえば2歩くらいのもの)水たまりにひょこひょこやってきて、親鳥とヒナが

水浴びするなんていう,、そのひのオホーツク一帯分の「平和」がぜんぶ

あつまったようなこのうえなく親密な光景を心のそこからたのしみにして

いたのですが。 

「そう言われてもね、そっちはよくてもこっちがだめだよ」。もしも、もしも

前文が気休めにならなかった、奇特きわまるかたがいたら、さいごに入荷

したこの1冊をぜひ読んでください。

 「ヘンリー・デヴィッド・ソロー 孤独の愉しみ方」










































飾らず、依存せず、持たずにちいさく生きることこそが豊かだ。自給自足の

忠実な実践から生まれた言葉のかずかずが、下腹部を重いこぶしでこずく

ような力強い励ましの響きをもっています。縛るものをほどいて、孤独を

みかたにしていられるようになります。

HUTTEのことも「ああ、一生の本と出会えた。なんだか良い店だったなあ」。

と、そんなふうにさらっと振り返ってくれるようになったら本望です。



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