「あたまにつまった石ころが」
絵本としては風変わりなネーミングですが、実話をもとにした
とても良い本です。
「あいつの頭には石が詰まっているのさ」と嘲笑されるほど
石が好きで好きでたまらなくて、石をあつめ、知ることに
生涯をささげた一人の男性。その一途なあゆみが、苦労を
ともにしながらも慕い寄り添ってきた実の娘によって語られる
ノンフィクションです。
社会がつくった階段を上へ上へ登る。それだけが人生じゃ
ないよ、と。世間の目を気にしなければ、もっとおおらかで
心地よい生きかたがみつかるよ、と。
「父ほど幸福な人生を送った人を、わたしは他に知りません」
という結びの言葉のうらに、そんなメッセージが隠れている
ような気がしました。
人生の勝ち組、負け組なんてフレーズが意味をなくしつつ
ある昨今。家族からそう称えられる瞬間は人生における
最高の勝利じゃあないか。そんなふうにも。
「あたまにつまった石ころが(原題:Rocks His Head)」
税込1512円
軽やかなタッチもいいです。
今日は「ビスケット(160円)」や「黒豆スコーン(200円)」
などテイクアウトできるおやつも焼きあがっております。
Comments